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2020.10.28

繊維ニュース トップインタビューに掲載されました

2020年秋季総合特集Ⅲ(5)/top interview スミテックス・インターナショナル/新常態で生まれた需要つかむ/
代表取締役 社長執行役員 森崎 喜彦 氏/消費者目線で提案できる力を育む
『繊維ニュース』2020年10月28日(水曜日)

 スミテックス・インターナショナルは、ベトナムで素材から製品化まで一貫して手掛ける生産体制を築き、OEM/ODM事業で優位性を発揮してきた。新型コロナウイルス禍という非常事態を乗り越え、商社としての存在感を維持するため、全社を挙げた業務改革に取り組む。森崎喜彦社長は「こういう時期だからこそ、つかめるチャンスもある」と自らを鼓舞する。

新型コロナと共存する社会にあって、日本の繊維産業はどう変化していますか。

 新常態に合わせて新しい需要が生まれ、消費動向も変化し、川下の小売りは大きな影響を受けています。ツーマイルウエアのような商品の人気が高まり、購買の場所も都心から郊外にシフトしている。当然、電子商取引(EC)の拡大も加速しています。それに比べ、川上と川中は、衛生関連など一部の分野で国産品が見直されるといった動きがありますが、全般的に変化が少ない印象です。

経済環境をどう見ていますか。

 人生の中でも経験のない事態が起きていると実感しています。ただ、現在は社会に感染防止策が根付きつつあるようにも感じています。ウイルスとの共存を図りながら、経済が動いていくという見通しを持てるようになりました。

上半期(4~9月期)を振り返って。

 4月の時点ではまだ、新型コロナ禍以前に商談を終えていた春夏商品の出荷がありました。それまでの営業努力が実り、前年と比べても好調な出足でした。しかし、5月以降は、受注状況は落ち込んでいきました。例年ですと秋冬商品の前倒しの注文を取り込み、ベトナムの工場で生産して出荷する時期ですが、今年は出荷を後倒しにせざるを得なくなった。ベトナムでの生産は、厚手のコートなど冬物商品を主力としていますが、昨年から受注状況が厳しく、今年はさらに新型コロナウイルスが追い打ちを掛けました。
 一方、工場を運営することで、会社全体の業績の落ち込みが抑えられた面もあります。苦しい中でもいただける注文が助けになっています。社員たちがお客さまとの関係維持に努めたことが、ここでも実を結んだと思います。

先行きが不透明な中、現状を打開するための取り組みとは。

 2021年の春夏物の商談が9月から始まり、10~11月にかけて受注が決まります。例年では秋冬物の出荷が活発になる時期ですが、今年は減っています。ただし、一部では新常態だからこそ売れる商品も現れ始めました。コートでも気軽に羽織れるものが、追加で注文を受けた例もあります。まだまだ秋冬物でもあきらめずに、新しい需要を取り込む営業をしていきます。  こういう機会に前を向き、ビジネスの領域を広げていく方針です。新規の顧客開拓にも力を注ぎ、消費者のニーズにしっかりと応える販売チャネルを持つ相手と組むことを目指しています。これまで接点がなかったお客さまにもアプローチを試み、具体的な話につなげている例もあります。やり切れなかった社内の業務効率化も進めています。

ベトナム工場の今後の運営方針は。

 日本流の生産管理を取り入れ、品質にこだわって差別化を図ってきたので、現地の工場との価格競争に巻き込まれては意味がありません。とは言え、経済情勢の影響によって価格要求が強まり、対応に迫られているのも事実。どのようにサービスの間口を広げていくかを議論しています。  デジタル技術を導入したデータの有効活用にも着手しました。製造品目ごとのデータ管理の精度を高め、販売動向を先読みするのに生かそうとしています。

目指すべき商社の姿とは。

 新型コロナウイルスの問題がどのようになろうとも、採算性を維持できるように、社員が一丸となって事業の基盤を固めています。先に備えて、業務の棚卸しを行っています。幹部、中堅、若手から旗振り役を選び、業務改革を推進していきます。今後は、消費者目線できめ細かく商品のニーズを捉えられる力が商社に求められ、それをできるかが差になって表れると思います。社員の力をこうしたことに向けられるように、皆で活発にアイデアを出し合えるような会社にしたい。

〈私の新常態/テレビや近所の散歩を楽しむ〉
 「ビジネスの面では大変な思いをしているが、生活の中では家族と過ごす時間が増えるなど悪いことばかりではない」と明かす森崎さん。決まった時間にテレビを見るのも、これまでになかった習慣だと言う。「大河ドラマや『半沢直樹』といった番組をオンタイムで見るのは新鮮だった」。平日の早朝に、人通りのない近所の遊歩道を散歩するのも、ささやかな楽しみの一つ。「季節の移ろいを体感できるのは新しい発見」と語る。

〈略歴〉
 もりさき・よしひこ 1987年4月住友商事入社。91年住友商事インテリアシステム開発部住商インテリア出向、2000年4月住友商事繊維本部参事旧スミテックス・香港(現スミテックス・インターナショナル香港支店)出向、12年9月スミテックス・インターナショナル出向スミテックス・チャイナ総経理、16年6月住友商事繊維事業部副部長などを経て、17年6月から現職。
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